認知症のケアについて | 富士山麓病院介護医療院・富士山麓クリニック

認知症のケアについて

care
 認知症のケアの原点となる優しさ

優しさとは…

優しさとは、最良の妙薬と言われています。
かけがえのない個として存在する人間を受容し一人一人と向き合います。
あなたの声がいつも聞こえるように、あなたの求めているものを見つけ出せるようにあなたと手を取り合ってここにいるのです。  

人間として受容する優しさを根底に、発症に到る人生ドラマを受け止める。
別離・リストラ・知人、身内の不幸・人間関係の悩みなどがトラウマとなって、大脳の脳神経にダメージを与えているストレスが発症の根底にあることを理解し、過去の体験を尊重し、自己実現のために存在価値があることを経過を通して支援する。

※これらの言葉の一つ一つに人と人とが向き合い支え合っている
思いが伝わってきます。
私たち介護者はこのような思いを無意識に意識化してその人が必要とするとき、自然に実践できるよう常に傍らにあるよう、寄り添う介護を目指しています。

優しさをもって寄り添う介護を目指す

「決めつけない、せかさない、押しつけない」
いつも変わらない真心で支えるゆとりの介護である。

あなたの心に寄り添い、あなたの心を引き出し、あなたの心と向き合います。
心の耳を澄ませばあなたの呟きが聞こえてくる。
そんな触れ合える介護でありたい。
その意志より前へ出ることもない。
その意志より遅れることもない。
心と体にぴったりと寄り添う介護です。
目で見て探り、言葉と手で確かめ、心の耳で聞く、眠れぬ夜も安心と快適
があるような寄り添う介護です。

認知症ケアのポイントとは

<安心ポイントの心得>
①安心感を与える。(声かけと場所作り)
②プライドを尊重する。
③失敗を責めず、どうしたら良いか考えようと言う。
④叱責、命令をしない。
⑤説得、否定をしない。
⑥教示、指導をしない。受容する。
⑦短く簡潔に、明日のことは言わない。
⑧生活のリズム作りに共に動く。

認知症の生活場面での関わりの基本

長い人生を生き抜いてきた人生の先輩として敬愛と承認をもって受容し、
心の緊張をほぐすことが大切です。
その日の気分、体調を観察し「ご気分はいかがですか」「お元気でしたか」「お変わりありませんか」など季節や体調に関する労いの言葉をもって声かけをし、安心感を与えるようペース合わせを行う。
何よりもリラックスして楽しんで頂くことが大切です。
毎日の生活を整えるケアの基本は、食事や排泄、活動や睡眠のバランスを取り、見守りや予見的ケアで事故防止を徹底し、24時間の生活リズムを整えることが大切と言われています。

ペース合わせの要点

1.基本的生活を変えない。
2.人生を受容し尊重する。
3.失敗や誤認を否定、説得しない。
4.不安を解消し、怒りや疑問、悲しみなどを吐き出させ、
 聞き手となり「大丈夫ですよ」と声をかける。
5.今することをわかりやすく伝え、明日のことは言わない。
6.やまびこ式会話や方言を用いる。
7.健康のためにできることは自分で行う。
8.目線を合わせてさする、撫でる、握るなど安心への効果を図る。
9.睡眠、運動(散歩、体操、休息、交遊)、音楽はストレスを解消し快眠につながる。
10.失禁への理解と援助。特に歩くこと 5000歩以上
 ①時間間隔での誘導 ②トイレ機器の応用 ③オムツ用品の工夫
11.環境整備と安全への工夫
(廊下、トイレ、衣服、火気、薬物、器具、寝具などの点検)
12.季節の行事、大切な思い出、儀式を尊重する。
13.予防的習慣を持つ。(食事、睡眠、清潔)
14.仲間作りの楽しさを作る。運動、レクレーションに参加する。

認知症ケアの実際

会話・行動対応法ケア経過
※生活プログラムを立てる。聞き手として会話を引き出す。
不安解消と安心感を持たせ、リズム調整する。

①身内や本人のやり遂げたことや良いところをほめ、皆が心配して関心をもって会話・声かけをする。心を聞かせる。接近をする。
②自信を持たせ、家族や知人とのトラブルを解決できる場面作りをする。食事や面接、お茶のみなど、生活のリズムを整える。
③希望にそえるように支援し、現在のやりたいことや希望をとり入れ、自己実現を達成していく。
④療養棟内の生活のリズムができる。家族や知人との関係が良好になる。自分の今を楽しみ、生きる目標を目指す。
⑤個人の状態を観察し、安心や信頼を得られるよう声かけをしながら、人間らしい生活のリズムを整えていく支援を行う。

会話・行動対応法の過程(相手を知る)

①見守り・傾聴・声かけで入所者と信頼関係を築いていく。
②自信回復に向けて、できることを増やす。希望を持たせる。
③外出・外泊・社会参加・知人との交流等、回復させる居場所を作り、存在価値を意識し自己実現を果たしていく。

治療的ケア

①会話・行動対応法… 会話を用い、過去の輝いていた自分を取り戻し、楽しく快活にできることを楽しんでもらう。
②回想法…過去を想起し、過去を語ってもらうことで共感し、安心を与え思い出し懐かしみ、抑うつ・不安の記憶の改善を図る。
③リアリティー… オリエンテーション時間に合わせ、その概念を理解(現実見当識訓練)促しながら、実際の生活面で行動していく。
④バリテーションセラピー…その人の感情・感覚や個人を尊重し、そのレベルで応える。捉える。「認知症の人」の部分を受け止める。行動には理由が存在することを探り、確認をする。
⑤絵画療法…絵を書いていただく(クレヨン・水彩)。心を表へ自己表現する。
⑥音楽療法…音楽・集団・楽器などを用いて混声合唱して、それぞれの役割を表現することで脳を刺激し、脳内ホルモンを活性される。
⑦薬物療法…漢方薬や精神薬を用いて症状の改善を図る。
⑧カウンセリング療法…個別に精神的苦しみや悩みを吐露し、心の解放をする。
⑨運動・歩行・五感刺激のエクササイズをする…脳の神経・毛細血管・筋肉を成長、賦活させる。(週1時間30分の有酸素運動または歩行)
⑩作業療法…陶芸、もの作りで体や手指を動かし、気分転換しながら大脳を活性する。
⑪食事療法…野菜と果物ジュースを週3回以上飲むと認知症予防に効果的であると言われている。

症状ケアと支援方法

周辺症状 状態 ケア
 ①ストレスへの適応力の低下
(不安・失行)
叫声・大声・動けない
(不安・混乱)
①「大丈夫ですよ」…
「お手伝いしますよ」…
②音・光・風など室内調整
③自分の居場所を作る
④今は○○しましょうかと
声をかけ、場面転換
⑤その人の希望に沿う
⑥味方になってものをいう
 ②失敗が多く、
現実と食いちがう
尿失禁や失敗が多い
不穏・拒否・抵抗・引きこもり

①「大丈夫ですよ」…
「ついてますよ」…
「安心して下さい」…
②○○ですね、と受け止める
③居場所を作り座らせる
④清潔にし暖かい水分をとる
⑤観察・誘導(トイレ)などを
試みる(事故防止・不穏)

③言葉にならず、
適切に伝えられない。
(失語)
・口をパクパク、またはダンマリ
・机を叩く、イライラ
・動きが固まる
・体調不良や周辺症状の悪化

①お茶を飲みましょうか
「落ち着きますよ」
②○○はどうですか…
大丈夫ですか…
いかがですか…?
と生活場面を切り替える
③私もお手伝いしますね
④ベットで休んでみる

④幻視・幻覚がある
妄想(もの盗られ)
・落ち着つかない
・訴えが多い
・不安、不穏、拒食
・虫がいる、子供がいる
①大丈夫ですよ(説得)否定しない
一緒に確認してみる
こちらを見て下さい
見える角度を変える
②否定せず、そうなの?と肯定
③一緒に探してみる
⑤夜間譫妄 ・虫がいる、蛇がいる ①一緒に確かめてみましょうと言う
②私がやっつけますから大丈夫です
③一人にしない
④暖かい飲み物、掛けものなど工夫をする。
⑤安心する声かけをする
⑥補水をする
⑦居場所を作る
⑥不潔行動 ・オムツやパンツの中に
手を入れる
・ゴミ箱の中のものを拾い集める
①できるだけ一人にしない
②汚物は片付け目につかないところへトイレは時間で先に誘導する
③汚れたら早めに手を洗い、清潔にする
⑦興奮・不安・不穏 ・叫声、罵る、喚く
独語
①「大丈夫ですよ」
「ここで見守ってますよ」
②そうなんだ、つらいね…
と静かに話しかける
③肩や手に手を触れてなでる
守ってますよ…と言う
⑧拒食 ・拒否がある

①食物の臭いや味があるのか探る
②ゆっくりと食べてみようと自分も食べて見せる
③暖かいもの、水ものから始める
④好きなものからどうぞと勧める

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