1/4
 毎年四月一日は御殿場高原病院の開院記念日ですが、とりわけ今年は二十五周年と言うことで、一入感慨深いものがあります。
 思えば昭和五十四年の開設以来、四半世紀の間に様々な出来事がありましたが、皆さまにはこれまで長年にわたってご理解、ご協力を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。
 今後も職員と共に斯道に邁進する覚悟ですので、四季を問わず二十六時中、裾野の高原病院を優しく見守ってくれている富士山とご一緒に、皆さまにも末永くお見守り頂ければ幸いです。

 さて今回は、「能力」と「認知症」の相関関係について考えてみることにしましょう。
 高年者が認知症の進行にともなって喪失する能力・意欲は、次の各段階に分けて考えることができます。

【第一段階】

 高年者が認知症に陥るとき、まず最初に、その人の人格を維持し続けるような能力・意欲が失われていきます。このような能力・意欲が失われつつあることを示す症状が出現します。
 人格を維持するような能力・意欲が失われ始めれば、その高年者は認知症に陥り始めていると言うことができるでしょう。したがって高年者は独自では社会生活に適応困難となります。
 以下のような能力・意欲が失われていくことが原因となっています。

◎豊かさを・・・発見・気付く能力・意欲、理解する能力・意欲
◎しあわせを・・・発見・気付く能力・意欲、理解する能力・意欲
◎大勢の人たちのしあわせを・・・願う能力・意欲
◎真実・真理を・・・願う能力・意欲
◎物の価値を・・・発見・気付く能力・意欲、理解する能力・意欲
◎次代に手渡す夢・希望を・・・創り出す能力・意欲
◎出来事を取捨選択して・・・記録する能力
◎現状を・・・改善する能力・意欲

 以上の能力・意欲は、人としての完成または完成を維持する能力です。中年期・高年期に獲得した能力・意欲です。これらの能力・意欲が失われるのは主に認知症軽度の時期です。
次へ進む