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| 今回は東京出身の全盲男性、Mさんの症例について考えてみましょう。 夏の暑い日、82歳のMさんは次男さんに連れられて私たちの病院へ来られました。次のようなMさんの言動についての相談でした。 *昼夜を問わず大声で叫ぶ。意味は不明。 *大小便を失禁しても分からない。 *便器を使用できない。便座に腰掛けていられない。 *ベッドで了解不能な声を出している。 *ベッド枠をゆすっている。 *食事摂取に介助が必要。 *自分の子供が分からない。 *反抗的・攻撃的になりやすい。 などでした。 Mさんの既往歴 昭和56年(62歳)頃、物忘れが出現。「悪霊が追いかけてくる」「自分を殺そうとする」などと言うため、精神科を受診。外来通信治療を受ける。 平成7年、妻死亡。次男宅へ転居。意味不明なことを言うので精神病院受診。入院。退院後しばらくは外来通院。 平成13年1月、同居している次男に攻撃的となる。2月、家に居るのに「家へ帰る」と言う。3月、手足がむくみ、内科を受診。腎臓機能低下のため入院するが、大声で「助けてくれ」などと叫び続けるため、翌日退院となる。 退院後は、地元の老人施設で1週間のショートステイ。大声で叫んだり徘徊している。 発熱のため内科病院へ入院。心不全と腎機能障害あり。その後、経過良好のため老人施設へ戻る。 昼夜を問わず大声で叫ぶので御殿場高原病院受診となる。 Mさんの生活歴 Mさんは同胞7人か8人の第一子か第二子として出生。現在Mさん以外の方々は亡くなっています。子供が多かったためか、家は非常に貧しかったようです。小学校は盲学校で、その後指圧 (マッサージ)を学びました。16歳から働き始め、東北、関東、東海地方などを転々としました。30歳を過ぎてから、やはり全盲の女性と結婚しました。子供は男の子が3人で、みなさん元気です。 Mさんの父親は年をとってから認知症に陥り、所かまわず放尿徘徊するため、鍵付きの部屋で、Mさんご夫婦が面倒をみていたとのことです。Mさんの性格は穏やかで、妻に優しい人であったようです。趣味はなかったとのことでした。 |
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