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今回は外来受診にお見えになったAさん(七十九歳、女性)の症例を考えてみましょう。
Aさんは五十三歳の次男さんご夫婦に付き添われて来院されました。ご家族が訴える症状には次のようなものがありました。
※夜中に自室で起きているらしく、ゴソゴソしている。
※「家に帰る」と言って、夜中でも外へ出て行こうとする。
※忘れっぽくなった。
※顔の表情がキツクなった。
※好きなオカズだった筈の副食物を「好きではないから」と言って食べないときがある。
上記のような言動について次男さんご夫婦から、
(1)『認知症』かどうか
(2)家族はどのように対応したらよいのか
との相談を受けました。
しかし、これだけの説明・資料では質問に答えることはできません。したがってもっとAさんについて聞かせてもらわなければならないことがあります。
その結果、次のような情報を得ました。
Aさんは夫を癌で失ってから十三年になります。
子供は五人、男、女、男、女、男です。全員結婚しました。ある時期、Aさんは長男夫婦と同居していましたが、別 居して次男の家庭に移りました。
長男だけは離婚しました。長男に子供はいません。長男だけが、Aさんから遠く離れた町で生活しています。
「長男は母親とは一番仲が良くて、Aさんを大切にしていました。それが原因で離婚したようなもの」
と次男夫婦は理解しています。
Aさんは次男の家族と一緒に生活しています。
次男の嫁はAさんの二人の娘とも仲良しで、よく行き来をしています。Aさんも娘た ちと会う機会は少なくありません。
Aさんと子供たちや嫁との交流はお年寄りにとって は望ましい状態にあると考えられます。
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