2008年1月号より〜「秋の園遊会」〜

ケースワーカー 岩田 依子

 2007年の秋の行事は「秋の園遊会」と称して、患者さんに夏から冬になる御殿場の涼しく、しかし肌寒くなった秋を体感しながらお茶の時間を過ごしていただこうと十月を月間として楽しんでいただきました。
 今回はその中でも二回に分けて、手作りおやつで患者さんをもてなしました。一度目はパンケーキ、二度目はカラフルな色のゼリーです。前の日からお手伝いいただける患者さんに声をかけ、支度をしていただきました。主に女性でしたが、作る手際良さに私たちには歯が立ちません。「昔はね、子供たちによく作ったのよ」「こうやるといいのよ」とお子さんとの昔話をされたり、「お姉さん、ちょっと待って」と小走りで駆け寄り、私のエプロンの結び目をサッと直され、振り替えると「これで大丈夫」と笑顔で一言。お子さんとこうやって台所に立って料理をされていたのだなぁ〜と短い言葉や仕草にお母さん歴を感じました。
 会当日は、あいにくのスッキリしない天気。でも、サンデッキにはレクリェーション委員がススキを飾り付けて秋の涼しさを演出してくれました。そのような天気だったので余計か、患者さんは私同様、花より団子(笑)。楽しみに待たれたケーキやゼリーをとても喜んで召し上がっていただきました。中でも、印象的なのは頻繁にご面会にも見え、行事への参加も欠かさなかったSさんとそのご家族。先日、Sさんは亡くなられましたが、今でも秋の園遊会でご家族が「おじいさん、美味しい?」と横で頬張るSさんに笑いかけるご家族の笑顔が焼き付いて離れません。Sさん同様、多くのご家族が遠方にも関わらず、行事のご参加を欠かさず、患者さんと過ごされる時間を大切にされていのを毎回、実感しています。
 外の薄暗い天気とは裏腹に、ホールは団子ならぬケーキや色とりどりのゼリーを頬張る患者さんとご家族の高い声に温かい秋の時間が流れていました。