| 介護支援専門員 楢木博之 | |
| 昨年(2006年)暮れの押し迫った時期に、衝撃的なニュースがほとんどの新聞に載りました。皆さんもご覧になったかと思います。そのニュースとは何か?日本の人口は「50年後、5人に2人が65歳以上」になるという予測が発表されたのです。50年後は2055年になります。その時に日本はどうなっているのでしょうか?年金、医療などの社会保障はどうなっているのか?国民の暮らしはどう変化しているのでしょうか?今回は、そのことを少し考えていきたいと思います。 「50年後」といってもなかなか実感できる年数ではありません。私が生きていれば85歳ですから、自分自身あまりイメージができません。しかし5歳になる私の息子は、その時55歳で、日本の社会を支えている年代です。そう考えると少し実感が出てきて、その時代も息子が安心して生活が出来る社会なのだろうか?と不安になってきます。本当に5人に2人が65歳で日本の社会や経済は成り立つのでしょうか? まず不安になるのが、国民の安心した暮らしを支える社会保障です。現在でも、年金、医療、介護もそれぞれ財政的な課題を抱えています。現在の10人に2人が65歳以上という状況においてもです。 財政的な課題を考える時の対策として、集めるお金を多くする方法と、払うお金を少なくする方法の二種類があるのは皆さんも周知のことと思います。現在もこのような方法で、介護保険、医療保険、年金の運営を行なっています。これから益々高齢者の割合が多くなることが予測される日本の場合、より一層集めるお金を増やし、払うお金を少なくする方法を国はとっていくでしょう。そうしないと日本の国自体が借金だらけになり、経済は破綻してしまうからです。これらの問題は「50年後」ではなく、正しく今の問題です。 既に介護保険では、保険料を払う年代を低くする議論もありますし、一割の自己負担を二割、三割に増やしていくという動きもあります。社会保障原資を確保するために消費税を上げる話は毎回出ています。継続検討されているので、これらの具体策は近い将来現実化するかもしれません。そうなると国民の生活は大きな影響を受けるでしょう。消費税は今より上がり、20歳になったら介護保険料を払わなければならなる。デイサービスに行って、三割分のお金を自己負担しなければならなくなったら?皆さんの生活はどうなるか想像してみてください。 私が心配をしているのは、格差社会が益々深刻になっていくのではないかということです。福祉の中でも格差が顕著になるかもしれません。お金がある人がいいサービスを受けられ、ない人はサービスすら受けられない社会。医療では、お金がなければ病院にも行けないという時代がくるかもしれません。このような格差が生まれれば、国全体が殺伐としてくるのではないでしょうか。殺伐とした社会の元では、人は同じ過ちを繰り返すことにならないでしょうか。 そうならないようにしなければ、今の子ども達、これから生まれてくる子ども達に未来がなくなってしまいます。そのようなことを年が明けて考えていました。まずは国民がこの問題に関心を持つこと、そこから何かを始めてみることが解決策の一つだと私は思っています。 |
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