2006年5月号より〜ある日の夕方〜
事務長 吉永宏俊
 ある日の夕方、一人の男の子が2階に上がって来ました。頬を赤くして少し汗をかいているようです。「何しにきたの」と聞くと「おじいちゃんと将棋をしてきた」と汗を拭って言います。「勝ったの?」と聞くと5回やって1回勝ったとのこと。後ろに私服の看護師さんがいました。その子は看護師さんの子供さんでした。将棋を覚えたばかりで指したくてたまらないとの事でした。2時間余りで5回戦ですので、1回の勝負を20分余りで終了している事になります。
 4月より保険の改正があり、近い将来このような場面がどこの家庭でもみられるようになると思います。国としては「居宅」という幅を広げ施設なども、その範囲の中に入れて行き、どうしても、「病院」と呼ばれる所にお年寄りを入院させたくないようです。
 これから15年先、20年先は病院で亡くなられる方はごく限られた人になってくるでしょう。多くの方は自宅や、施設で在宅の医療を受けながら家族に看取られながら旅立つことになりそうです。
 国としては、終末の医療に治療費がかかるとの考えのようです。日本ではかつて、昭和10年頃のことでしょうが、家、家族の結びつきがしっかりしていたそうですが、これを国としては再評価して欲しいと望んでいるようです。
 これはお年寄りの介護を家庭内で1年ほどでもやったことのある方の考えとはとても思えません。その頃と現在では「家」の形も大きく変わっているのですから…今後、痛ましい事件が毎日のように報道されないように願ってやみません。