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平成18年4月から、改正介護保険制度がスタートします。そして医療保険も平成18年2月、制度改革について政府与党で合意がなされ国会に提出されました。正しく今、医療と介護制度は見直しの時期に来ているのです。では何故、見直しをしているのでしょうか?一番大きな理由は、財政面の課題になります。日本の社会は今後、高齢者の割合が増えていき、2025年には4人に1人が65歳以上になると言われています。そのため医療と介護によりお金がかかってくるので、現状の制度のままでは医療保険、介護保険共に厳しい状況を迎えることになり、見直しを行う必要性が出てきたのです。
本原稿では、この医療と介護の見直しの内容を全てお伝えするのではなく、その中の一部にある「今後の療養病院について」の動向を少し説明したいと思います。この内容は皆さんにも直接関わってくることになるので、最後まで一読いただければと思います。
まず、療養病院とは何か?という問いにお答えしたいと思います。病院は大きく分けると急性期の入院を対象とする一般病院と、慢性期の長期療養を対象とする療養病院の二つに分かれます。ですから療養病院とは、長期療養を必要とする、慢性疾患を持つ患者さんの治療及び療養を行う病院と考えていただければいいかと思います。そして療養病院にも二つの種類がありまして、医療保険で入院できるものと、介護保険で入院できるものがあるのです。日本全国において、医療療養病床25万床、介護療養病床が13万床、合計38万床あると言われています。当院もこれに該当し、1階の病棟が医療療養病床、2階3階の病棟が介護療養病床になります。国は、この療養病床を今後見直していくという方向で動いているのです。では、どのような内容なのでしょうか?
結論からお話をしますと、今後療養病床を少なくしていくということです。具体的には、介護療養病床を2012年までに全廃する、そして医療療養病床を10万床減らして、療養病床を合計で15万床にすることを検討しています。全廃する介護療養病床は、老人保健施設か有料老人ホームに転換していくように国は考えているのです。
これが実現されれば、6年後には介護保険を使って病院に入院することは不可能になります。簡単に言えば、介護療養病床がなくなる、ということです。当院においては、2階3階の病棟は現状のままではなくなってしまうので、2012年4月までに、医療保険の病棟にするか、老人保健施設にするか、有料老人ホームにするか等の選択をし、変えていかなければならないのです。正直、今回の内容はとても大きな改革になります。
何故、このような動きが出てきたのでしょうか?この話を私が聞いたのは、昨年の12月頃でした。そこからわずか3ヶ月程しかたっていないのですが、現在はこの変更がほぼ決定しているという内容で新聞に報道されています。皆さんの中でも新聞を読んで既にご承知の方も多いと思います。あまりにも早い話の展開に、現場で働いている私たちも困惑しているのが実情です。
では何故、この改正をするのでしょうか?その理由としては、介護療養病床と医療療養病床に入院している患者さんの状態に違いがないということが挙げられます。この課題は介護保険施行当初からずっと問題になっていました。介護と医療の区別が曖昧という課題があったのです。今回の見直しで、医療と介護の区分を明確にしていくという動きになりました。ですから療養病床については介護保険から外し、医療保険だけで行う方向で議論が進んだのです。
もう一つの理由として、日本の入院日数の長期化が挙げられます。諸外国と比較すると、日本の平均入院日数が36.4日に対し、アメリカは6.5日、イギリス7.6日、フランス13.4日、ドイツ10.9日になります。
これを見ると日本の入院期間がいかに長いか分かります。そしてこの入院期間を長くしているのが療養病院になるのです。入院日数が長いということは、それだけ保険の支出も多くなり、財源は圧迫されます。保険財源が厳しくなれば、当然見直しが行われるのです。
そして財源だけではなく、療養病床に入院している患者さんの実態について厚生労働省が調査を行ったところ、入院者の半数が常時医療を必要としている状態ではないという結果でした。いわゆる入院の必要性のない方が入院しているという「社会的入院」が半数以上いる、ということです。
以前から社会的入院に保険を使うのはいかがか、という課題があがっていました。今回はその点を改正するための政策と言えるのです。
ここまで読まれた方は、「ではこれからどうなるの?」と不安をお持ちになると思います。当院においても、2年から3年の間に方向性を出さなければなりません。現状では皆さんに、国の政策がこのように動いているということをお伝えするしかできません。
6年後にはどのような方向性になるのか、検討次第ご報告したいと考えています。この件について分からないことなどありましたら、ご連絡ください。こちらでも現状の中でお伝えできるところは説明したいと思います。
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