介護支援専門員 楢木博之
 平成17年6月22日、介護保険制度改革案が参議院で可決、成立しました。皆様も報道等で既に周知のことと思います。今回はその改正の内容について少し説明したいと思います。

 介護保険制度は、2000年(平成12年)4月1日から始まりました。そしてそれから5年がたちました。介護保険制度は5年ごとに見直しを行なうことになっていますので、今回は開始後初めての制度改革が行なわれる、ということになります。本年6月の国会でその制度改革案が成立し、平成18年4月1日より新しい介護保険制度がスタートするのです。但し、施設給付の見直しについては、前倒しで行なわれ本年10月1日からの開始になります。この点は当院にも大きく影響のある内容ですので、後に少し説明したいと思います。

 では改正の内容についてですが、介護予防に力を入れていくということ、そして施設給付の見直しを行なうということなどがあります。介護予防については、これまでの5年間の中で要介護認定者が増加している、特に要支援・要介護1の方の増加が著しいという課題を受けて、要介護状態になる前に予防を重視し、要介護状態になることを防いでいこうという考えがあります。そして具体的には筋力の低下を防ぐために筋力向上訓練を行なったり、栄養指導や口腔ケアを受けられるようにしたり、ということがサービス内容に含まれてくることになります。

 施設給付の見直しについては、先に書きましたとおり本年10月1日から前倒しで行なわれることになりました。そもそも施設給付の見直しとは何か?ということですが、介護保険施設の食費・居住費が保険の対象から外れ、利用者の負担になるということです。
 これは何故か、ということですが、施設入所者と在宅での食事・居住費の負担が不均衡なのではないかという考えが背景にあります。具体的には、在宅で暮らしている方は食費や居住費を全額自己負担しています。一方施設入所者は全額自己負担ではなく、食事・光熱費とも介護保険での給付があるのです。高齢者の場合、年金から収入を得て支払う方が多いと思います。収入は在宅でも施設でも同じ年金にも関わらず、支出は生活する場所で違っているのです。要するに施設入所者は食費・居住費について年金だけでなく、介護保険からもお金が出ているということです。これでは在宅と施設間において不均衡なので、今回の改正では施設入所者の食費・居住費については保険給付から外し、全額自己負担にしていきましょう、ということになったのです。

 この改正は当院の介護保険病棟においても影響が出てきます。先に話しましたように法が決まったのが本年6月22日ですので、ほとんど時間がない中での対応をしていかなければならない状況です。法改正の詳細については、現在(平成17年8月1日現在)国からの通知を待っている状態です。詳細が分かった時点でできるだけ早急に皆様にも説明をしていければ、と考えています。

 今回の改正は、介護保険や施設給付の見直しだけではありません。他にも変わってくるところがたくさんあります。この点については次回に触れていければと思います。
 分からないことなどありましたら、何でもご相談いただければ幸いです。