| ケースワーカー 吉永哲哉 | |
| 高原病院では、「ご家族が1番望むことは何か?」ということを常に考えるようにしています。心得があります。御殿場高原病院は今年で開院25年を迎え、様々な形で認知症のお年寄りやご家族の方々に向かい合ってきました。その中で、「患者さんのご家族が1番寂しさを感じることは何か?」それは、親が自分(子供)を忘れる事。親の記憶の中から、自分を育ててくれた、愛してくれた自分がいなくなることです。認知症症状が進行する中で、必ず「お母さん、私分かる?」「私だれ?」と普段聞かれる言葉です。認知症を受け入れられるご家族や、悔いが残らないような考え方のご家族は「笑ってくれた」「生きていてくれてよかった」と気持ちも変化されます。 さて、「ご家族が1番望むことは何か?」これは、親が自分を(子供を)忘れないでいてくれることです。つまり、私たちの病院では、「親が自分の子供を忘れる事を先延ばしさせる。」ことを考えております。 では、どういうことをしたらいいのか。 当院では、今までに、「学習会」やご家族のアルバムを使っての会話や動物との触れ合い、人形、食品モデル、音楽、園芸、などを通して、お年寄りから子供の事、自分の事、家族の事を忘れないように、忘れてしまった方は思い出してもらうようにしてきました。 いままでの経験の中で認知症の中度の後半までの間に、悲しさ、不満を言える患者さんがいらっしゃいます。この方の症状が進むと悲しさや不満、楽しさなどが言えなくなったり、わからなくなる方がいらっしゃいます。 悲しさや不満が言えるということは、わかる最後のチャンスです。子供について分かるということは、悲しみが分かる事です。悲しみがわかるので認知症が進行してしまいます。認知症を進行させないように、悲しみ・寂しさを感じさせないようにしなければなりません。 この中度の時期に感じて訴えが多くなったりさわぐ方もいらっしゃいます。このことは、悲しさ、寂しさに抵抗している時期でもあるのです。抵抗しているということは、改善しようという意欲がある時期でもあります。この意欲をいい方向に変換できれば改善は可能性があります。この意欲を、発揮させてあげることが大切な事です。 悲しさ・寂しさが分かれば、楽しさ・嬉しさがわかるはずです。悲しさ、寂しさの元はないか。突き止めてあげることが必要です。 現在当院では、子供の事や身近な事を忘れないように、孤独感に陥らないようにする為に「高年学校」を開校しています。 では、実際にはどうやるか。 1.両親、子供、孫、兄弟を忘れさせないようにする。その事を話題にして話をしてあげることです。1番有効なのは、昔の実家に連れていってあげたり、ご兄弟に会ってお話していただくことですが、難しい場合が多いようです。 ご家族が1番喜ぶこと・嬉しいことは、親が自分(子供)を忘れないで居ておられる事です。その為に記憶を鮮明にしてあげる事(話題にしてあげること)が必要です。 (例)「よ・し・お」〜読み書きや話題の話を楽しくやること。(勉強ではない雰囲気)場所として旧棟1階の教室を使って行います。 2.物事を発見する能力(人間の感情)を忘れさせないようにする。いつまでもわかってもらうように。(きれい、楽しい、うれしい、など) 3.感情を満足させるようにする。本人の思い→矢印子供と仲良くしたい。自分の言う事を聞いて欲しい。 (本人は、子供に何を願っていたのか。)これを満足させる様な面会も必要になってきます。実際の場面では、ご本人の情報が少ない方(子供、兄弟がいない・子どもに自分の話をされてない方)もいらっしゃいます。 |
|
| 次へ進む | |
|
|