ケースワーカー 渡邊 香

 すっかり春めいた5月2日、高原病院では端午の節句会が行われました。あいにくの曇り空で、外を泳ぐこいのぼりたちは少し元気がない様子でしたが、会場の大きなこいのぼりや病棟ごとに作られた貼り絵が、会場をにぎわせていました。いち早くご家族と会場に着いたAさんに、「今日は楽しんでください」と言うと、嬉しそうな表情で「はい、はい」とお返事されました。

 私は、会場の警備担当で入り口でみなさんが来るのをお待ちしておりました。患者さんの中には2、3日前から端午の節句の会を楽しみにしていらっしゃる方もいて、私に気づくと「着いたよ」と言ってくださいました。いつもと違う会場の様子をご覧になって、少し微笑んでいる方もおられました。

 会では、仮装相撲や季節の歌、サイコロゲームなどが行われ、前に出てやる方だけでなく会場にいるみなさん一人一人が主役となって会が進んでいきました。

 季節の歌では私は、こいのぼりの格好をしてステージの上で歌うことになっていました。人前に出ることの苦手な私は患者さんと一緒に体を動かしながら必死になって『こいのぼり』『背くらべ』『茶摘み』の3曲を歌いました。あまりに必死だったので患者さんたちの様子を見る余裕もありませんでした。

 会の後病棟で、Bさんが「あなたの歌とても良かったわよ」と声をかけてくれました。Bさんは、会の前に私が「人前に出て歌うので不安だ」と言ったことを覚えていてくださったのでしょう。Bさんが気にかけてくださったことに私の方が元気付けられました。

 会が終わり、病棟へ戻っていかれる患者さん達の楽しそうな顔を見ると、こういった季節の行事は大切だと改めて感じさせられました。次回の行事もみなさんと素晴らしい会にしていきたいです。