総師長 佐野清子
 あけましておめでとうございます。
 新棟に移転して1年が過ぎ、初期の混乱期からようやくスタッフ一同も広さに慣れてきました。この広い病棟をうまく利用して、療養者の個別性を重視した看護・介護を提供していくには、どのようにしたらよいだろうかと、みんなで考えてまいりましたが、その答えは未だに対策を見出せないままに1年が過ぎてしまいました。新年からは心を新たにして、職員一同頑張っていくつもりです。

 特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養病床の管理者、リーダーが集まる日総研セミナー会場でアンケート調査を行ったところ、
「あなたは管理者、リーダーとして、自分に100点満点で点数をつけるとしたら、何点をつけますか?」
という設問に対して、平均46点という結果が出たというリポートがあります。
 特にマイナス要因としては、「リーダーシップ」、「スタッフへの指導力」、「職員へのコミュニケーション能力」の項目だったとのことです。
「総師長なら何点をつけますか?」と問われると全く同様の答えになります。様々な問題や葛藤に直面し解決策を見出せずにいるからです。

 私たちはとかく治療という2文字に縛られ、診療の補助に優れた人が優秀な看護師である・・・と思いがちです。時には、一般病院や救急の出来る看護師が一流で、療養病床や施設で働くことは二流と思っているような言動を耳にすることがあります。必要としている人に必要な手を差し伸べることができる人こそ、もっとも優秀な看護・介護者だと信じているのです。

 これからの医療者に求められる能力(資質)とは、
*豊かな感性
*問題抽出及び解決能力
*コミュニケーション能力
だと言われています。
 感性があっても問題解決能力や技術力がなければ生きたものにはなりません。いかに問題抽出能力が優れていても、解決のための技術力や行動力が伴わなければ、医療現場では意味がありません。

 バージニア・ヘンダーソンは看護の定義を次のように述べています。
「健康・不健康を問わず各個人を手助けすることである。どんな点で援助するかというと、健康生活、健康の回復、これらは、もしその本人が必要なだけの強さと意志と知識を備えていれば、人の手を借りなくても出来ることかもしれないが、とにかくそうしたことに寄与する活動が看護師の仕事である」と。
 ADL障害や認知症による障害を持つ療養者に対して、健康管理、食事、排泄、入浴、日常のコミュニケーション・レクリエーション等々、こまごましたお世話を、指導員と協同で療養者に身近にあって担うことで、療養型病院は運営できる仕組みになっているのです。

 玄関を入り旧1病棟へ向かう階段の上に「自分が変わらなければ何も変わらないよ」と書かれた額が飾ってあります。固定観念にしばられず、風通しのよい、チームワークのよい職場作りは、1人1人が少しでも変わっていくことで成し遂げられ、それが質の向上につながっていくと思います。
 2004年を、自分を少しでも変えて、違った自分に出会う年にしたいものです。