| 生活指導員 喜田浩司 | |
| 私は、毎日患者さんとお話をすることを楽しみにしています。人生の大先輩の方々は色々なことを経験されています。年齢は大正生まれの方が多く、特に明治は36年、40年、43年、44年、45年生れのご長寿の方々がいらっしゃいます。 明治36年は日露戦争の始まる前の年ですが、Uさんは、この年にお生まれになりました。ご主人の仕事の関係で、戦前のパリで生活されたそうです。フランス料理はソースが基本、ナポレオン時代からパリは集合住宅が多く、通常一戸建ては郊外に多くあるとお聞きしました。 前号で田中廣一先生執筆の『新病棟の歯科診療』で、Uさんの愛犬の躾の話を読みました。Uさんは笑顔で、ヨーロッパでは動物を可愛がり、家族の一員になっていると教えて下さいました。 私は新聞で読んだ阪神大震災の時のことをお話しました。それは飼犬が「ここほれワンワン」の仕草をするので救助犬が掘ったところ飼主が発見され、救助されました。飼主は「この子は可愛い子だ。公園で子供たちにいじめられているのを見て、娘が連れてきた、可愛い子だ」と泣きながら何度も抱きしめました。また反対に飼主が「ここにうちの犬が埋まっている」と救助を頼み、飼犬が発見されました。あの大災害の中にあって、犬と人間、人間と犬の心温まる物語をお話ししましたら、心優しいUさんは涙ぐんでいらっしゃいました。 以前、心もとないハンターの中には、飼犬の足を射って放置していくと読んだことがあります。人間と犬は太古時代から共生しています。南極観測隊のタローとジローの物語もあります。最近飼主のマナーの悪さに立て看板で注意されています。Uさんのように犬を可愛がり家族の一員として接すると犬も応えてくれます。 Uさんと、犬のことについてお話をすることができた楽しい一刻でした。 |
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