ケアマネジャー 楢木博之
 御殿場高原病院も昨年末に新病棟が完成し、引っ越しも無事終えることができました。そして当院は完全な療養病床として、医療保険病床48床、介護保険病床108床になりました。今までも介護保険の適応を受けていたのですが、それは期限までに施設基準を整えるまでの経過措置であったので、今回の新病棟は、その基準が整ったということになります。そして今後も介護療養型医療施設として、高齢者認知症の医療を中心に活動していくことになります。よろしくお願いいたします。

 介護保険が始まってから、もうすぐ3年になりますが、その見直しがマスコミなどで報道されています。そもそも介護保険の目的は、介護が必要な方(要介護者等)が自立した日常生活を営むことができるように、保健・医療・福祉のサービスの給付を行うためのものです。ここで間違えてはいけないのは、介護保険は介護を促進するためのものではなく、あくまでも自立した生活が送れることを目標にしたサービスが行われるということです。例えば食事を上手に食べられない方がいます。その方にきれいに食べられるように、介護者が全介助してしまうというのは、介護保険の理念に何することになります。そうではなく、できるだけ本人に食べてもらうよう介護者がサポートしていくことが、介護保険の理念なのです。ですから介護保険施設と呼ばれている老人福祉施設、老人保健施設、療養型医療施設も、ずっと施設に入所していることが目的ではありません。その施設においても、自立した日常生活を営むことができるように援助していかなければならないのです。

 また、介護保険は在宅重視と言われています。在宅介護を促進するために、積極的な民間のサービス提供事業者の促進を促しています。そのような介護保険ですが、現在理念通りにいっているかというと、課題も多く残ります。その1つには在宅重視ではなく、施設重視になっているということです。その証拠として、老人福祉施設の待機者が増加して、どこでも数年待ちが当たり前という状況になっています。それほど、在宅では難しい、施設へ入所させたいという方が多いのが現実です。このような課題を検討し、今後どうすればいいのかを考えていこうというのが、今回の見直しなのです。

 今回見直しの焦点は、介護報酬がどうなるかということです。今まで赤字だったサービスの介護報酬を引き上げて、黒字だったサービスを引き下げていくということです。介護報酬とはサービスを提供した場合に、それがいくらになるかという金額の指標になるものです。ですから介護報酬が上がると下がるとでは、サービス提供事業所は死活問題にもなってきます。

 ちなみに今回の改正で上がると言われているのは、訪問介護と居宅介護支援と言われています。ヘルパーさんが自宅へ行くサービスと、ケアマネジャーがケアプランをたてて、在宅生活を支援していくというサービスです。

 それ以外のサービス、特に施設系のサービスの介護報酬は下がると言われています。それは何故かというと、施設入所者の介護保険で使うお金は在宅サービスに比べると、とても高いからです。介護保険も限られた財源の中の保険料ですから、あまりお金をかけたくないというのが本音です。ですからお金のかかる施設入所は介護報酬を少なくし、保健で出ていくお金を減らし、さらに施設指向と言われている介護保険を、在宅指向へ変えていきたいという思いもあるのです。施設側にとっては収入額が減らされる訳ですから、痛い改正になるでしょう。

 この改正は平成15年4月より行われます。ですからもうすぐ具体的な改正の中身がはっきりしてくると思います。新聞などの報道を見ても分からない場合には、当方までご遠慮なくお問合せ下さい。