| 心理課 西尾好太郎 | |
| 3月3日、例年通り「雛祭りの会」を催しました。午前中、職員でお雛様の飾り付けをしていると、あっという間に周囲は患者さんでいっぱいになり、口々に「きれいだね・・・」と話している声が聞こえてきました。その時の患者さんの顔は少女のような笑顔でお雛様を手に取り、何とも言えない優しい表情で眺めていました。不思議なものでお雛様を眺める顔は少女のようでもあり、また孫を喜ぶお婆さんの姿にも見え、一人の人間の中に年齢の違う2人の表情を見たように感じました。 ある女性の患者さんは90数歳になるのですが、「今年もお雛様が訪ねて来てくれたので見に行きませんか?」とお誘いすると、「会いに行きたい。見たい!」と大さわぎしながら、「お雛様はいくつになってもいいものだよ。昔は女の子と言えばお雛様って決まってたからね。お雛様がいつまで経ってもきれいなように、女の子の心の中もいくつになったってお雛様のことを忘れないものだよ」と話してくれました。 最近は女の子の節句や男の子の節句にお雛様やかぶと・鯉のぼりを飾る習慣が少なくなってきているように思えます。子供の頃に女の子はお雛様を見ることで可愛いと感じ、自分もおひなさまのようになろうと女の子として生きることを意識し、男の子はかぶとや刀を見ることで、勇ましい男の子でありたいと意識したように思います。 このような行事を楽しんだ思い出を持たないまま大人になった方は、年老いた時、先の患者さんの少女のような豊かな笑顔もなく、また今を楽しむことが出来ないのではないかと感じました。 思い出に残る楽しい生活は人の心を豊かにし、そのような豊かな心をもった人は、いくつになっても人生を楽しんで生きていけるのだと思いました。 |
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