生活指導員 加藤廣明
「Sさん、今日は奇麗だね」と声を掛けると、「そうですか、私もそう思います」と笑いながら答える。手を握って一緒に歩くと、「御一緒してよろしいですか」と照れた顔で、楽しそうに廊下を歩いてくれた。

 寝たきりの患者さんに手をさすりながら話し掛ける。言葉はないが、笑みを浮かべて握り返してくれる。いつも体の不調を訴える患者さんも、手を握ると途端にしおらしくなり、普段聞かない言葉、「ありがとう」と優しい顔を見せてくれた。

 ご家族の方がいらっしゃると、必ず体に触れて話し掛けている。患者さんの顔が、普段の表情よりももっと明るく見え、とても微笑ましい光景である。家族のようにはうまく伝わらないが、極力スキンシップをはかって、話し相手になってあげたい。それにはゆとりのある生活と、接する時間をもう少しつくってあげたい。

 毎朝Kさんに会うと、「おはよう。今日もよろしくな」と必ず声を掛けられ、握手をする。「やあ!今日はちゃんと歩けるよ」とその日の体調を笑顔で答えてくれる。握手から始まる一日を…!