| 院長 清水允煕 | |
| 新年明けましておめでとうございます。御殿場高原病院も開設以来23年が過ぎました。この間大勢の方々にご協力をいただきました。心からお礼申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。 私たちの病院は平成14年度から15年度にかけて、増改築を行います。これは増床するということではなく、入院してくださっているお年寄りの生活空間を拡張するという目的のためと、医療・介護の質の向上を図るという目的のために計画しました。 これまで、認知症のお年寄りを入院させようとして、病院を下見にいらっしゃったご家族に、「清水先生のお考えと、スタッフの皆さんのなさっていることと優しさに頭が下がる思いです。しかし、おじいちゃんの知人が面会に来た時、『なんであんなボロの病院に入院させたのか』ということで、私たちが非難されそうです。それでは私たち家族は困るのです。世間って外見で判断しがちですもの、仕方ないですよね」と言われ、お年寄りは入院されなかったことも少なくはありませんでした。 その度にスタッフは「病院のハード部分(建物・設備など)ではなく、ソフトの部分(お年寄りの適切な対応・考え方)で、どこにも負けないように頑張ろう」と努力し、協力してくれました。しかしここ4〜5年で世の中の老人のための施設はさらに立派になりました。当院と比べると2億円の新築マンションと500万円の中古住宅くらいの差がついていました。 これでは入院されているお年寄りに対して申し訳ないのは当然として、頑張ってくれている病院スタッフに対しても申し訳ありません。また、老年期認知症のお年寄りにして差し上げることが、心理学的にもまだまだ沢山あります。 立派であっても施設でお年寄りを預かっているだけで、日々適当にお茶を濁していればよいということでは決まっていないのです。そのようなことになっていれば、認知症のお年寄りは『高価で美しい檻の中の囚人』となってしまうでしょう。 このような結果にならないようにするための今回の増改築です。 そのために、 1.生活空間が充分にあること。 2.精神療法的治療が行える場所が充分にあること。 3.心理療法的治療が行える場所が充分にあること。 4.レクリエーション療法的治療が行える場所が充分にあること。 5.リハビリテーション療法的治療が行える場所が充分にあること。 そして、 6.お年寄りがご家族と一緒に宿泊できる場所があること。 などを実行することが可能なことを目標とした増改築です。 前記6の「お年寄りがご家族と一緒に宿泊できる場所」とは、次のような理由から用意されることになった場所です。 私たちの病院に入院されるお年寄りのご家族は、いろいろな理由によりお年寄りを外泊させることができないことがあります。また、外泊させる時間的余裕があっても、お年寄りに認知症症状があり、ご家族では対応困難なときがあります。このようなときご家族が病院内でお年寄りと一緒に宿泊し、生活されていれば、病院スタッフが介護を手伝ってあげることもできます。 またお年寄りの娘さんが、自分の嫁ぎ先である家へご自分の認知症の親ごさんを連れて帰り、親孝行しようとしても、外泊させると身体が困難な場合があります。 ご自分の夫の親、つまり姑さんが同居していらっしゃる場合があるからです。ご自分の子供たちにも反対されることもあるようです。このよう場合、娘さんが病院に一泊して、親孝行されればよいのです。そのための場所を提供させて頂くことは、私たちの義務なのかもしれません。 以上のようなことなどで、病院の増改築が2002年は進行します。私たちスタッフは病院のソフト部分をさらに充実させるように努力するつもりです。私たちの病院外の方々も是非応援してください。よろしくお願いします。 最後に病院の皆さんへ、病院の増改築が終わり、私たちがお年寄りにベストをつくせるようになるまで、現在入院中のお年寄りの認知症状態を進行させないように頑張って下さい。皆さんなら今までの経験と知識からそうすることが必ずできるはずです。よろしくお願いします。 |
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