生活指導員 金田 功
 また7月が来て、病院恒例の夏祭りが盛大に行われました。立派な櫓が祭り会場の中央に立って、14張りもの天幕が回りを囲み、浴衣やハッピ等を着てちょっぴりお洒落をされた患者さんたちと、大勢のご家族が会場内のお祭り気分を盛り上げ、大変賑やかな夏祭りになりました。

 お祭り騒ぎが大好きで、祭りと聞くと血が騒ぐ私に、今回は何とチンドン屋が割り振られました。係曰く、「2病棟職員の高岡さん(病院きっての芸達者)とピチピチギャルの職員2人が一緒だからきっといいチンドン屋ができそうだ」と。これで夏祭りのチンドン屋が決まり、衣装や小道具などの準備に取り掛かりました。それにしても、夏祭りにチンドン屋は異質ではないかと思いましたが、これがやってみるとどうして、和気あいあいの良いムードの中で、チンドンチンドンと音だけでも賑やかなチンドン屋が加われば、さらにお祭りを盛り上げる効用があったように思いました。患者さんの反応も十分にあったし、ご家族からは記念写真にとあっちこちから声をかけられ、これでますます調子に乗って、踊りの輪の中に入って踊りだすなど、チンドン屋自身が祭りを楽しんでしまいました。

 職員の高岡さん扮するサーカスのピエロと、若い女性2人が扮する田舎娘が、共に大変ユーモラスで笑いを誘っていました。少しでも昔のチンドン屋さんのイメージに近付けようと、汗だくの演技が好感を持たれたようです。

 夏祭りの会場内では努めて患者さんとのコミュニケーションをとるように心掛け、患者さん1人1人のお名前をお呼びして声掛けするようにしました。少々緊張気味で落ち着かない患者さんもいらっしゃいましたが、大部分の患者さんが、ニッコリと微笑んで答えて下さいました。患者さんの若い頃には、チンドン屋は日本中の街々の風物で、そこででも見られたでしょうから、昔を懐かしく思い出していただけたかもしれません。

 当日は外に出られない患者さんもおられ、院内回りもしました。熱病で休んでいるYさんのベッドに、「チンドン屋です」と顔を出すと、「ああ・・・」と何か言いたそうにされ、私たちの手を代わる代わる握ってなかなか解放してくれません。Yさんの握る手の温もりに、亡くなった祭り好きの父を思い出し、突然Yさんを「いとおしい」と思う感情が込み上げて目頭が熱くなり、汗を拭くふりをしてそっと涙を拭きました。

 レクリエーション行事は患者さんと職員のつながりをより深める効果があるようです。初めてのチンドン屋で、鐘と太鼓のリズムがさっぱり合わなかったりしましたが、患者さんやご家族の声援を受けて、『夏祭りの雰囲気を楽しむ』という、夏祭りの目標達成に少しは寄与できたのではないかと思っております。今後はさらに、患者さんから信頼され、毎日快適な病院生活を送っていただけるよう、1日1日ベストを尽くしていきたいと、気持を新たにしております。