看護婦 伊藤佳子
 季節は梅雨に入り、暖かい日があったかと思うと肌寒い日があったり、気温の差の激しい日が続いています。

 天気がよければ患者様と散歩へ出かけることが日課となています。少し前までは、病院の近くにアヤメが道端に咲いている場所があり、患者様と車椅子で、または徒歩でゆっくりと散歩しておりました。四〜五年前に、その地区で植えたということで、紫の立派なアヤメです。そのアヤメを見て、「まあ、素敵」と手を叩く患者様、「花を持ち帰りたい」と言う患者様、最初は拒否されていても散歩へ出かけると目が輝く患者様、そのアヤメの前でポーズをとって写真を撮られる患者様と、病院の中では気付かない様々な面をたくさん見せてくださいます。

 たくさんの話しかけより、花を見る、音楽を聴くなど、五感に訴えることの方が、反応がはっきりわかることがあります。そのことから患者様の喜ばれる姿を、一場面でも多く見たいと、心から願っています。